人気ブログランキング | 話題のタグを見る

~第二章~第五話

永遠の楽園、コア・ハーツ。
光の心を持つ住人が住むその場所は「世界の中心」とも呼ばれ、長きに渡って平和を守り続けてきた。

しかしそんな楽園も、今では戦場となっている。
エイル・ディストの破壊を企てるスパイラルキラーズと、それを守ろうとするデグラス・マール。
そして戦争終結のために立ち上がったトーア達による激しい戦争は、コア・ハーツだけでなく、世界中に大きな影響を与えた・・・。



コア・ハーツの中心部は、戦争の中心区域となっていた。
数多くのスパイラルキラーズ、デグラス・マール、そしてトーア達が入り混じり、争いを続けている。
そんな場所に、彼らオーダーオブコネトも辿り着いていた。

「俺達の他には・・・まだ来てないのか。」
ファグルは周囲を見渡しながら、トーア達の元へ向かう。
辺りはスパイラルキラーズやデグラス・マールの攻撃が飛び交い、マトラン達は皆非難を終えている。
まさに戦うためだけにあるような場所だ。
ファグルは一人のトーアの元へ向かい、尋ねる。
「よぅ、遠い所からわざわざご苦労だな。」
「いや、気にすることはない。あんた達の戦いは、俺らの戦いでもあるからな。」
黒いトーアは答える。
この場所にはオーダーオブコネト以外にも、100人以上ものトーアが集まり、戦いに参加している。
この規模はこれまでにないものだ。
最も、そのような事態など起こらないに越したことはないのだが。
すると、遠くから声が聞こえてきた。

「お~い!ファグルー!!」
ファグルが振り返ると、エンシェント・ガードを引き連れたクロノとアロックが、こちらへ向かって来た。
「お前達も着いてたのか。」
「えぇ、一足先にね。」
アロックとの情報交換を素早く終え、エンシェント・ガードに向き直るファグル。
「君達も戦争に巻き込んでしまって、申し訳ない。」
すると、フィアーが答える。
「なに、気にすることはないさ。それに俺達の第二の故郷が狙われてるってのに、黙って見てるわけにはいかないだろ?」
「私は混戦は好まないが、今はそうも言ってられない。戦わねばならないのなら、私達も全面的に協力する。」
氷のトーア、クレアが冷たく言い放つ。
「そうだな。私も出来ることなら貴様と共同戦線など張りたくないものだ。」
大気のトーア、シグエルがクレアに向かって言う。
対するクレアも
「ほう、その高慢の鼻を、私がへし折ってやろうか。」と返す。
ネールとタルマンが割って入り、2人をなだめている間に、炎のトーア、グローヴァの姿が見えた。

「グローヴァ。随分と深手を負ってるみたいだが、何があった?」
「それにあんた一人みたいだけど、レイラーはどうしたんだ?」
ファグルとクロノが尋ねる。
「すまない。レイラーが捕まり、洗脳されている。早く助け出さねば。」
グローヴァは、プティングに負わされた傷口を抑えながら、答えた。
「なんだって?」
クロノは続ける。
「じゃあ、すぐにでも助けに行かないと!」
グローヴァはそれを制しながら、答えた。
「いや、そういうわけにもいかない。俺としたことが、奴を取り逃がしてしまった。今どこにいるのかも分からない。俺のミスだ。本当にすまない。」
「あなたが責任を感じる必要はないわ、グローヴァ。みんなで力を合わせて、レイラーを救いましょう。」
と、アロック。
すると今度は、ファグルが口を開く。
「そうだな。どのみちその怪我じゃ、グローヴァ1人じゃ無理だ。」
「だが戦争はどうなる?あんたら抜きじゃ埒が明かないぞ。」
エンシェント・ガードの1人、ロウグが口を挟む。
「いくら俺達でも、無理がある。」
フィアーも口を開く。
「あぁ、分かってる。すぐに終わらせるさ。クロノ、アゴク、グローヴァ。レイラーを探してくれ。アロックはマスクの力で、傷ついたトーアの介抱を頼む。」
と告げるファグルと、それに答えるタルマン。
「あんたはどうするんだ?」

「俺は、デグラスの元へ向かう。」





オーダーオブコネトの面々が合流した頃、島の別の場所では、三大トーアが集っていた。
団結のトーア「アース」、義務のトーア「トゥール」、宿命のトーア「シャイン」もまた、この戦争に参加していたのだ。

「多くのトーアが戦いに協力してくれているけど、このまま戦っててもどうにもならない。上の連中を叩かないと。」
アースが言う。
「そうだな。目下の争いは、彼らに任せておけば大丈夫だろう。オーダーオブコネトやエンシェント・ガードも参戦してくれている。負けることはないはずだ。」
トゥールは答えると、続けた。
「でもどうやって奴らの居場所を探す?」

「問題ない。」

口を開いたのはシャインだ。

「私達の光のパワーを使って、巨大な闇を探し出すんだ。奴らは強力な力を持っている。その分、探し出すのも容易だろう。」

シャインは続けて言う。
「私はガウブレイズを追う。アースはガズーを、トゥールはヴァグラをそれぞれ頼む。」
「あぁ、気を引き締めて行こう。」
「デグラスはどうする?あいつが一番危険度が高い。野放しには出来ないだろう?」
トゥールの問いに、シャインは冷静に答える。
「デグラスの元にはファグルが向かってるはずだ。彼は強いし頭も切れる。任せておけば大丈夫だろう。」

「それに彼もまた、【ブレイブソード】に選ばれた者だからな。」

「【闇を切り裂く勇気の剣】か・・・。」
トゥールが呟く。
「僕達も頑張ろう。戦争終結は、我々の手にかかっている。」
アースは言うと、歩き出した。
「健闘を祈る。同志達よ。」

「さらばだ友よ。光の勇者よ。」

<続く>

  # by wataridorii-ss | 2012-10-13 19:26 | ~第二章~

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE